上りだけのヒルクライムレース。川場以来だが距離は倍ある。レースのレベル自体は、同日にオリンピック選考会があったので、少し低めだが、僕にしてみれば十分であった。
午前のレースは人数が多いため、2つのグループに分けておこなわれた。僕自身は練習で、まずまずの状態で上りをこなしてきたので、とにかくできるだけ集団に着いていくことだけを考えて望んだ。
先頭から第2列目からスタートし集団は団子状態で進んだ。まわりの人たちはスタートしてからしばらくは遅いペースで進んだといっていたが僕には風も感じられ、とても前に出る余裕はなかった。しかしながら、僕がマークしていた10名ほどの選手のほとんどが前に行くのを確認すると、素早くその後方について様子を見ていた。2kmほど進むと僕が最も気にしていた松井選手(テスタッチ)が隣の選手と乗鞍(ヒルクライムレースで有名)のことを話し始めた。僕には、もうすでに、はなす余裕などなかったので、この時点で彼らには負けただろうと思った。とにかくいけるところまで松井選手についていくことに決めた。
3kmを過ぎると、果敢にアタックに出る選手が出始め、2人の逃げが僕らの集団のちょっと前方でできた。しかしながらすでに見える位置にいたので、この段階では誰も追わず、最初から変わらぬペースで進んだ。このペースははっきり言って、僕には限界すれすれのペースで、いつ切れるともしれない状態だった。聞こえる音といえば僕の呼吸音だけだったしね。
しばらくすると僕の前の松井選手が切れ始めたので、僕はその前に出て集団に食らいついていった。しばらくして、あとどのくらい後ろにいるのだろうと、振り返ると誰もいなかった。そして、僕の前には8,9人いるだけで、僕の呼吸音以外は恐ろしく静かに進んだ。8kmくらいまでは硬直状態が続き、この状態でラバネロのガフニィー選手がフラナガン選手(ナカガワFET)に話しかけて余裕を見せつけているときには本当に参った。
残り4kmを過ぎると集団が活発になり、リマサンズの香立選手がアタック。そのころには前の逃げにはとっくに追いついていたと思うが、もはや僕の意識はそれどころではなく。アタックにより徐々に集団からこぼれることになってしまった。ま、余裕だったはずのビンちゃん(フラナガン選手)も僕の前でこぼれていたので、やはり上りでは話をしない方がいいみたいですね。
さらにしばらく進むとニッポの筧選手がやってきて、僕は懸命に後ろについて行った。何度か前に出て引かなくちゃと思ったけど、もはや、それどころじゃなかったね。最後100mまで一緒にいって、ビンちゃんは捕まえられなかったけど、筧選手から10秒遅れでゴール。まあ、僕としては先頭集団の展開が見れたし、良くやったと思う。この時点で総合順位が18位だった。
午後のタイムトライアルは午前を少し短縮したヒルクライムで、30秒間隔で、午前予選を抜けてきた者の一番遅い選手からのスタートとなった。シングル順位にはいるには1分10秒短縮する必要があったけど、トライするつもりで望んだ。少なくとも3人は抜く必要があったけどね。
作戦通り、少しゆっくり目に入り、オーバーペースにならないようにいったが、2,3kmもすると、ものすごく息が荒くなってきた。ぜーぜーなんてもんじゃない。とにかく苦しかったけど、4,5km地点で一人目を捕まえた。午前のレースではギアはほとんど42−23か21だったので、逆転するためには軽くて21で行くしかなかった。足自体はあまり辛くなかったので、中盤からはほとんど19に入っていた。少しでも坂が緩くなったら18,17も使った。残り3kmくらいになったら抜いたはずの選手が僕を抜いていったので、ほとんど限界で走っていたが頑張って1km食らいついていったが・・・、やはり、ダメだった。ついにそのスピードについていけず、ずるずると下がりはじめてしまった。それでも「あと少し!」と自分に言い聞かせて追いつかなかったが前の選手がすでに見える位置で頑張った。
目標は達成できなかったが、全力で挑んだ結果、今の自分の位置がよくわかった。タイムトライヤルの結果は19位、午前と合わせて18位でした。まあ、まずまずでしょう。
次はツールドジャパン。入賞できるように頑張ります。