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4回 門田杯U23 ロードレース大会

主催:日本学生自転車競技連盟
開催日:511()
場所:日本サイクルスポーツセンター
距離:100q(520)

使用機材:インターマックス
使用タイヤ:IRCペーパーライトアクア
サングラス:AXLEY
ヘルメット:MET
補給食:カーボショッツ ワイルドベリー味(TCF様ご提供)

参加選手:管洋介、グレゴリーアンドリュー

U23(18歳以上23歳以下)の大会である門田杯に“セレーノA&T”は参加した。この大会は一ヵ月半後の世界戦の選考会にあたる全日本選手権U23に出場する選手が全員参加している為、お互いの調子を図る意味でプレ全日本選手権の意味を持つ重要な大会である。その事を証明するかのように去年の覇者は全日本選手権も制覇している。今年はセレーノからはU23である管とアンディが参加。試合参加者の九割が学生ということもあり、普段実業団のレースでは見ることのできないメンツだけに、作戦が立てにくい。特に、日大は高校のエリートを推薦で集め、実業団にも劣らない組織力を有するだけに、今大会を動かす事は予測できる。そして、25人という大人数を抱えるだけに我々2人は攻撃するしか手段がない。

日大の他、有力大学である法政12人、中央10人、京都産業10人そして、宮田スバル2人、日本鋪道2人の有力実業団を含む150人で試合はスタートした。1周の高低差が200mのこのコースは、20周で4000m上ることになる。よって前半は牽制しあいながら進み、後半大きく展開することが予想できる。しかし、予想に反し試合は1周目から動くことになった。スタートして5分前後で、宮田スバル、京都産業、中央、日大、立命館の5人がエスケープする。140人近い大集団はこの逃げを静観していたが、良いメンバーの逃げに対し徐々に焦り始める。

 4周目の中盤で大集団日大2名、京都産業が少し飛び出すタイミングを管はうまく利用し、5人の逃げを追う4人の追走グループを形成。自力で大集団との差を無理やり広げる。6周目に入ったところで、前方とは40秒、後方大集団とは80秒の差をつけ少しずつ見えてきた5人を先頭交代を繰り返しながら追う。

 8周目に入り、先頭5人を吸収と共に一緒に追った日大、そして逃げていた中央、立命館が遅れだす。管を含めた先頭集団は宮田スバル、日大2人、京都産業2人の6名となる。それと同時に誘導バイクから後ろに日大5人を含む10名ほどの小集団が追走をしている事を知った。この時点でかなり疲労している5人を見て、後ろの追走集団が我々を吸収することを悟り、本当の勝負はそこから始まると予想した。

 12周目辺りで、やはり追走集団が追いついてくる。ここには日大のエースが乗っているらしく、後輩たちを駒のように使いながら悠々と走っている。15人近くなった集団は再び活性化し、再びアタックの応酬が始まる。日大と京都産業が半分以上いるこの集団はこの時点で人数的に劣る宮田スバルと管にとってなかなか手ごわい相手である。そして、残り3周に迫ったところで、思いがけない展開が始まった。なんと15人になった集団にさらにアンディを含む30人ほどが追いついてきたのである。この動きを予想していなかった管は、ここまで足を使ってきてしまったことを後悔すると共に、気持ちを一気に切り替えた。

 残り3周という段階で後ろからフレッシュな状態で追いついてきた集団の選手は、鋭いアタックを繰り返してくる。一瞬ひるみそうになったが、根性で乗り切り、ラスト2周で少し前に飛び出た日本鋪道の選手を追って、管は単独アタックを始める。ちょうどギャラリーの多い所であった事もあり、自分を知る人々はすごい応援をしてくれる。自分を追って集団から8名ほど飛び出してくる。ラスト半周の時点で、逃げる日本鋪道を9名ほどで捕まえる。そしてそれと同時に日大がアタック!

自分は反応に少し遅れ、最終局面で8名を追いかける羽目になる。下り坂を踏み倒せばのぼりで追いつきゴールできると信じ、後ろも見ずにペダルを踏み倒す。ラスト200mの上り坂で前方のスプリントが始まっているときに追いつき、懇親の力でもがくが2人を抜くが6位という悔しい結果に終わった。優勝は日本鋪道の選手。同じセレーノのアンディはラスト2周で足が痙攣しリタイアとなった。

 どうしても優勝したい試合であった為、目の前で逃してしまったことにショックを受けていたが、周りの目は温かく、健闘を称えてくれた。一ヵ月半後の全日本選手権U23、同じメンバーで走るその試合に向け、今回の反省を課題にトレーニングに励みたいと思う。